リストラクチャリングとは、企業構造を再構築し、経営を変革させていくことをいい、「企業再構築」などと訳される。
企業構造には、事業構造、財務構造、人事構造などがあるが、一般的には事業構造の再構築という文脈でリストラクチャリングの語が使われる。
事業構造の再構築(事業リストラ)とは、経営環境の変化に合わせて、不採算部門の事業縮小や撤退、事業所の統廃合、本社・事業部・工場の分離・分社化などを行うとともに、M&Aなどを活用して成長事業や高収益事業へ経営資源を集中させることである。
キャッシュフローの最大化を焦点にして、実行の是非が判断される。
財務構造の再構築(財務リストラ)とは、貸借対照表(B/S)上の無駄な数字をオフ・バンランス化(削減)し、効率的な財務内容を目指すための作業であり、アセット・リストラクチャリング(事業譲渡や会社分割など)、デット・リストラクチャリング(債権放棄、DPO、DES、DDS、リスケなど)、エクイティ・リストラクチャリング(DES、スポンサーからの増資、種類株式など)というアプローチ手法がある。
日本においては「リストラ」と省略して、主に人員削減と同義で使われることが多いが、これは「業務リストラ」における施策の中の一つに過ぎない。
損益計算書(P/L)上における、売上の向上と売上原価の圧縮・経費の削減による利益の増大を図る作業であり、その一環として人件費の削減も含んでいる。
売上原価圧縮のためには仕入先、賃金、外注先などを見直す必要があり、経費削減には人件費など一般管理費の合理化が求められる。
ただし、目先の利益改善だけではなく、将来に向けた売上向上のための取組みも並行して必要とされており、マーケティング戦略や新規事業の進出によって企業の体質そのものの改善を考慮しなければならない。
日本においては、1989年のバブル崩壊後、リストラクチャリングが一般的な用語として認識されるようになったが、事業のダウンサイジングとしての“リストラ”が多用された。
その結果、本来の意味から乖離し、「リストラクチャリング(リストラ)=事業整理・人員削減=クビ切り」といったネガティブな理解が一般化したと考えられている。
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