(2)譲渡所得の計算方法

(2)譲渡所得の計算方法

譲渡所得の金額は、次のように計算します。

課税譲渡所得=①総収入金額-(②取得費+③譲渡費用)-④特別控除額

①「総収入金額」を求める

買主から受け取る売買代金+固定資産税等の精算金の総額

②「取得費」を求める

①取得費

次の①②の内、大きい金額を選択
①実額取得費
実際に支出した金額に基づく取得費

土地の実額取得費=取得に要した金額+改良費及び設備費
建物の実額取得費=取得に要した金額+改良費及び設備費-所有期間中の減価償却費

②概算取得費
実額取得費不明の場合もしくは概算取得費の方が大きい場合は選択

概算取得費=収入金額×5%
「取得に要した金額」の具体例
①購入代金
②建物請負代金
③購入時の仲介手数料
④購入時の契約書印紙代 で買主が負担したもの
⑤取得時の登記費用(登録免許税、司法書士等の報酬)
⑥不動産取得税 ・特別土地保有税
⑦借主がいる土地や建物を購入するときに、借主を立ち退かせるために支払った立退料、移転料
⑧所有権などを確保するために要した訴訟費用
⑨土地の取得に際して支払った土地の測量費、土地造成費用
⑩購入後概ね1年以内に取り壊した建物の購入代金及び取壊費用
⑪使用開始前の借入金の支払利息
⑫契約解除に伴い支出する解約違約金
⑬借地の更新料
⑭建物の増改築代金

減価償却費の計算(定額法)

①非事業用(居住用等)

減価償却費=購入代金等×0.9×償却率(※)×経過年数

(※)非事業用建物は耐用年数×1.5の耐用年数の償却率を使用します。

POINT
非事業用の経過年数の数え方・・経過年数は端数が6ヶ月以上ときは1年、6ヶ未満のときは切り捨て。
②事業用
平成19年3月31日以前取得分

減価償却費=購入代金等×0.9×償却率×経過月数/12

平成19年4月1日以降取得分

減価償却費=購入代金等×償却率×経過月数/12
POINT
事業用の経過月数の数え方・・1ヶ月未満の端数は1ヶ月とする。

住宅用建物の定額法償却率早見表
構造 非事業用 事業用
~H9/12/31築 H10/1/1~H19/3/31築 H19/4/1築~
木造 0.031 0.042 0.046
軽量鉄骨 3mm超4mm以下 0.025 0.034 0.037 0.038
3mm以下 0.036 0.05 0.052 0.053
鉄筋コンクリート 0.015 0.017 0.022

減価償却費の計算方法は定額法のほかに定率法があります。

③「譲渡費用」を求める

土地や建物を売るために直接かかった費用のことです。

譲渡費用の具体例
①土地や建物を売るために支払った仲介手数料
②売却時の契約書印紙代 で売主が負担したもの
③売却時の登記費用(登録免許税、司法書士等の報酬)
④売却のための広告料
⑤売却のために行った測量費、不動産鑑定料
⑥貸家を売るため、借家人に家屋を明け渡してもらうときに支払う立退料
⑦土地などを売るためにその上の建物を取り壊したときの取壊し費用とその建物の損失額
⑧売買契約後に更に有利な条件で他に売却するために支出する解約違約金
⑨借地権を売るときに地主の承諾をもらうために支払った名義書換料など

④「特別控除額」を求める

特別控除は一定の要件を満たす場合に適用されます。

特別控除の代表例
①居住用不動産を譲渡した場合/ 3,000万円→居住用財産を譲渡したときの特例
②収用等により土地建物を譲渡した場合/5,000万円
③平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡した場合/1,000万円

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