(2)会社規模区分と評価方法

自社株の評価方法は、「純資産方式」と「類似業種比準方式」を自由に選択できるわけではありません。総資産価額、従業員数、1年間の取引金額により、会社の規模が大会社から小会社の5つに区分されており、どの区分に該当するかで、純資産方式になるのか、類似業種比準方式になるのか、あるいはこれらの併用方式になるのかが決まります。

会社規模区分

相続税法上の会社区分

判定要素
会社規模 総資産(帳簿価額) 従業員数 年間取引金額
卸売業 小売・サービス業 その他 卸売業 小売・サービス業 その他
大会社 70人以上
20億円以上- 15億円以上- 15億円以上- 35人超 30億円以上 20億円以上 15億円以上
中会社 4億円以上20億円未満 5億円以上15億円未満 5億円以上15億円未満 35人超 7億円以上30億円未満 5億円以上20億円未満 4億円以上15億円未満
2億円以上4億円未満 2.5億円以上5億円未満 2.5億円以上5億円未満 20人超35人以下 3.5億円以上7億円未満 2.5億円以上5億円未満 2億円以上4億円未満
7千万円以上2億円未満 4千万円以上2.5億円未満 5千万円以上4億円未満 5人超20人以下 2億円以上3.5億円未満 6千万円以上2.5億円未満 8千万円以上2億円未満
小会社 7千万円未満 4千万円未満 5千万円未満 5人以下 2億円未満 6千万円未満 8千万円未満

※総資産価額は直前期末のもの、取引金額は直前期末以前1年分。

  1. 従業員数が70人以上であれば全て大会社。
  2. 70人未満の場合は、「総資産(帳簿価格)」と「従業員数」を比較し、いずれか少ない方で判定。
  3. 次に「年間取引金額」と比較し、いずれか大きい方で最終判定。

株式評価方法

会社区分による評価方法

区分 株式の評価方法 判定
下記以外の会社 大会社 ①類似業種比準価額
②純資産価額
いずれか低い価額
中会社 ①類似業種比準価額×0.90+純資産価額×0.10
②純資産価額
いずれか低い価額
①類似業種比準価額×0.75+純資産価額×0.25
②純資産価額
いずれか低い価額
①類似業種比準価額×0.60+純資産価額×0.40
②純資産価額
いずれか低い価額
小会社 ①類似業種比準価額×0.50+純資産価額×0.50
②純資産価額
いずれか低い価額
土地保有特定会社 純資産価額(株式保有特定会社は別な評価方法もあり)
株式保有特定会社
開業後3年未満
開業前又は休業
直前2年間の配当・利益・純資産(簿価)のうち全てがゼロ
直前3年間の配当・利益・純資産(簿価)のうち2つがゼロ ①類似業種比準価額×0.25+純資産価額×0.75
②純資産価額
いずれか低い価額
清算中の会社 清算の結果、分配を受けると見込まれる金額

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