贈与する株式の割合
後継者が保有している株式と合計で総株主等議決権数の3分の2に達するまで株式等を一括して贈与することを条件に事業承継税制の適用が認められます。
贈与株数の要件
3分の2を超える部分は贈与しても贈与しなくてもかまいません。
尚、受贈者となる後継者は最大3名までですが、いずれの後継者も保有株式は総株主等議決権の10%以上で、かつ贈与者の贈与後の保有株式数を超えていなければなりません。
後継者の数 | 要件 |
---|---|
1人の場合 |
|
2人又は3人の場合 |
かつ となる取得 |
贈与時期
株式はすぐに贈与する必要はありません。都道府県知事に提出した「特例承継計画」に従って会社の経営改善及び経営革新を実行して、自ら代表権を持ったままで後継者のも代表権を持たせる時期を経て、後継者の経営力がついてきたと判断した時点で先代経営者は代表権を返上し、その後株式等を贈与すればよいでしょう。
ただし、特例事業承継税制の適用を受けるためには、2027年12月31日までに株式等を贈与しなければなりません。
全部贈与するか、一部を残して持ち続けるか
一般事業承継税制では、後継者の既存保有株式とあわせて総株主議決権数の3分の2までしか納税猶予の対象となっていませんでしたが、特例事業承継税制では100%まで納税猶予を適用することが可能です。
3分の2まで贈与し、残りの3分の1を先代経営者が保有したまま死亡した場合、これを後継者が相続しても相続税の特例納税猶予の適用対象とすることができません。ただし、贈与税の申告期限から4年目の5月15日までの間に、先代経営者が死亡した場合、その所有していた株式等を特例後継者が相続等で取得した場合には、相続税の特例納税猶予の適用が可能です。
株主でなくなったとしても、代表権を返上して役員として残り、経営に関与することは可能です。税負担を考慮しつつ慎重に検討する必要があるでしょう。
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