レーマン方式とは、M&A専門のアドバイザリー会社や仲介事業者において一般的に使われているM&A取引における成功報酬の体系であり、取引金額(移動した資産の価格など)に応じて報酬料率が逓減する仕組みになっている。
取引金額が5億円までの部分・・・5%
取引金額が5億円を超え10億円までの部分・・・4%
取引金額が10億円を超え50億円までの部分・・・3%
取引金額が50億円を超え100億円までの部分・・・2%
取引金額が100億円を超える部分・・・1%
<計算例:取引金額が12億円の場合>
①5億円(~5億円部分)× 5% = 2,500万円
②5億円(5億円~10億円部分)× 4% = 2,000万円
③2億円(10億円~12億円部分)× 3% = 600万円
上記①~③の合計5,100万円(=2,500万円+2,000万円+600万円)
算出の基準となる取引金額は、「移動総資産(株式価格+負債総額)」や「企業価値(株式価格+有利子負債)」のケースもあれば、「株式譲渡対価」のケースもあるので、契約内容には注意したい。
また、一般的には、M&A専門会社ごとに最低手数料の規程が設けられているほか、成功報酬以外にも着手金、中間金、月次報酬など別途費用が求められるケースも多く、M&Aにかかわる実際の報酬額は、案件の性質(規模や難度)と担当M&Aアドバイザーとの交渉による。
なお、レーマン方式で用いられている成果配分方式は、ドイツにおける経営学の権威であるレーマン博士の学説を応用したものである。
その学説では、企業の業績を高める要素を「資本」と「労働」に分けて、資本を「純利益÷総資本」、労働を「純利益÷従業員数」で考える。
これによって資本比率と労働比率を明確にすることによって貢献度を明確にしようとした。
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