(7)売却・合併による消滅・解散時に減免制度の創設

後継者が自主廃業や売却を行う場合、納税猶予は打切りとなり、承継時の株価を基に納税額が算定されます。これでは売却・合併・解散時の株式評価との間に乖離が生じるリスクがあります。
特例事業承継税制では、経営環境の変化とそれに伴う株式評価の変化に応じて評価を見直して課税を行うことで、将来不安とリスクが最小化されています。

売却・合併による消滅・解散時も減免

経営承継期間の5年経過後は、民事再生や会社更生の時に加え、経営環境の変化を示す一定の要件を満たす場合には、売却・合併による消滅・解散時においても、その時点の評価額で税額を再計算し、猶予税額を超えた部分を免除する手当がされています。

譲渡または合併の場合は評価額の50%が下限

特例事業承継税制の経営承継期間経過後の解散の場合、その時点の相続税評価額で税額が再計算されます。譲渡または合併の場合は、その対価の額(その時点の相続税評価額の50%が下限)を基に再計算します。これらの時点から過去5年間の配当や過大給与等は再計算後の税額に加算しなければなりません。また、実際の売却価格がその時点の相続税評価額の50%未満の場合は、いったんその50%分までを免除し、2年後に譲渡した事業が継続され、雇用を半数以上維持している場合には、残額が免除されます。

経営の環境の変化を示す一定の要件

次のいずれかに該当する場合をいいます。

  1. 直前3期間のうち、2期以上経常赤字
  2. 直前3期間のうち、2期以上減収
  3. 直前期末において、借金が売上の半年分以上
  4. 直前期における同業種の上場会社の各月平均株価が、直前々期の各月平均株価より下落 又は 直前々期における同業種の上場会社の各月平均株価が、その前の期の各月平均株価より下落
  5. 特例後継者が特例認定承継会社における経営を継続しない特段の理由があるとき(解散除く)

株式の譲渡や解散等が、直前期末から6カ月以内に行われた場合には、上記1と2の「直前3期間」は「直前4期間」と、上記3の「直前期末」は「直前期末か直前々期末」となります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です